工場内を清掃する作業員

害獣被害について考える

近年都市部での害獣による被害が増えてきています。イタチやハクビシンなどが都会でも普通に目撃されるようになり、害獣被害は珍しい出来事ではなくなりつつあります。

害獣被害が増えてきた理由

害獣の学習能力・適応能力

害獣被害が増えてきた理由はいくつかありますが、その1つは害獣の適応能力が上がったことにあります。
害獣には学習能力が高い種類が多く、生きていくための知恵を身につけた害獣が人間社会に適応する力を身につけたことにより、屋根裏などに住み着いて人家に被害を及ぼすようになりました。

また学習能力の高い害獣が、罠にかかりにくくなったり、毒餌に対する耐性を身につけたりして駆除しにくくなったことも一因にあります。

ペットだった害獣

アライグマなどもともとペットして飼われていたにも関わらず、その凶暴さゆえに飼いきれなった飼い主が放獣してしまったために野生化して個体数が増加したことも、害獣被害が増えた一因です。アライグマなどは天敵がいなかったことと、さらに里山の放置された農地が餌場と化してしまったことも、害獣が増える原因となりました。

また現代では狩猟が免許制となったことと、狩猟者の高齢化が進んだことにより、狩猟が衰退してしまいました。そのため害獣たちにとって人間が天敵ではなくなりつつあることも理由の1つになっています。

なぜ屋根裏が狙われやすいのか?

住処を求めて

本来害獣は野山に住みますが、都市開発により自然環境が減少し続けています。その結果、本来動物たちの暮らす野山と人の住む都市部の距離が近くなり、より住み心地のよい人家を求める害獣が増えました。

また昨今の住宅は高断熱、高気密化により冬でも暖かく、また寝床の材料となる断熱材や段ボールなどにも事欠かないなど営巣するのに優れた条件が整っています。吹きさらしの野山の洞穴に営巣するよりもずっと快適な環境が屋根裏にはあります。

人間のいない空き家は特に害獣にとって格好の住処ですが、たとえ人間が住んでいても屋根裏は人間の暮らすスペースではないため、害獣にとっては居心地の良いスペースと言えるのです。

食を求めて

気温が下がる11月頃になると冬眠に入る動物がいたり、昆虫が息絶えてしまったりするなどして途端に野外でエサを確保するのが難しくなります。厳しい冬に備えて多くのエサを必要とするのは害獣も同じで、エサが減少するのは害獣にとっても死活問題です。

けれども屋根裏に住むことができれば、越冬しようとする小動物や昆虫が集まりエサの宝庫となります。また台所には食材や生ごみがあり、少し外に出れば田畑や家畜も存在するので、楽にエサを確保することができるのです。

最後に

害獣が増えたのは人間のせいでもある?

害獣被害が増えた理由のうちのいくつかは人間によるものです。ペットだった動物を凶暴だから飼いきれなくなったと言って放獣することは人間の勝手以外の何物でもありません。

また里山が減って動物たちの住処が少なくなっていることも、開発を進める人間たちの自己都合にすぎません。
まさに天に吐いたツバは自分に返ってくるという言葉通り、自分たちの行いが自分たちに返ってきている、それが現在の状況なのです。

害獣被害に遭わないために

そうは言っても人間と害獣は同じ1つ屋根の下で共存はできないので、屋根裏に住み着かれてしまった場合は、基本的に駆除せざるを得なくなります。放置すれば個体数が増えてしまうため、早めに対処する必要があります。

まずは家の中に住み着かれないよう、被害に遭う前に自宅をチェックして、害獣の侵入口となる隙間や穴を埋めましょう。絶対に害獣を家に入れない、という毅然とした態度が害獣被害を減少させるためにも重要です。

まとめ

害獣被害についてまとめてみました。
隣家や空き家などが害獣被害に遭った場合は特に侵入されないように気を付ける必要がありますが、そうでなくても決して他人事ではありません。
いつまでも住みやすい快適な我が家を保てるよう、害獣被害に遭わない環境づくりを常に目指すようにしましょう。

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